<居住用建物の定期借家契約が東京23区で伸びている>他
Ⅰ【 居住用建物の定期借家契約が東京23区で伸びている 】
弊社発の先月(9月号)レポートで取り上げた「居住用の定期借家契約物件(アパート、マンションなどの居室)」の活用が、募集用インターネットサイト(2025年度)によると、東京23区内では前年は1割程度だったのに対して、1.2~1.5倍に上昇したとしている。現在も上昇が続いていると見られる。
なお、定期借家契約制度は、1999年(平成11年)12月9日に成立し、借地借家契法の一部改正により創設され、2000年(平成12年)3月1日に施行されました。
前号の定期借家契約 ①期間満了で契約は終了し、再契約となる点 ②賃貸住宅全体の住環境を維持しやすい等の賃借人の選択肢が増えたと考えての活用がポイントと記しました。
それに加えて、本法律施行以前の賃貸借契約に関しては、当事者の合意で契約が終了し、引き続き新たに同一の建物(居室)を新法の定期借家の目的に変更することは当分の間はできないと定められている。
Ⅱ【 定期借家契約制度の適正なる活用がポイント 】
この様に定期借家制度が生まれてから25年を経て、ようやく東京23区で定期借家契約が増加した背景として考えられるのは、賃貸物件が普通賃貸借契約では契約することが不可能な、例えば「海外出張の間だけ自宅を貸したい・借りたい。」や「3年間のみ貸したい・借りたい。」、あるいは「3ヵ月のみ貸したい・借りたい。」とする賃貸人と賃借人との間の生活ニーズの変化である。現代社会は、必要性・欲求の理想に合致した商品を求めている現状が窺える。
普通賃貸借契約は賃借人保護の色が強く、賃貸人からの更新拒絶には『正当事由』及び『正当事由に変えて立退料の支払い』が必要となるが、一方で定期借家契約にはそれらが必要無く、事業の見通しが立てやすくなる等のメリットがあるという点が理解されて来た可能性も考えられる。
即ち、借主優位な普通賃貸借契約に比べて、居住用定期借家契約は賃借人と賃貸人との立場を対等に近づける契約と言われてきました。だからこそ、賃貸人側が節度をもって居住用定期借家契約制度を正しく活用し、賃貸人に於かれては恣意的だと勘違いされることのない誠実は姿勢での健全なる賃貸経営に取り組んでいくことが重要となっております。
Ⅲ【 現代社会の風潮に警鐘 】
現代社会は全てに於いて我慢することは潔しとしない時代の様です。待つことも許さない時代です。
全ての事が短時間で効率よく進めばそれが最善だというのが「今」という時代そのものなのです。
詩人・大岡 信(まこと)さんは指摘していました。
現代社会の風潮に警鐘を鳴らしていると思うのが、今回(10月7日 18時53分)の日本人、東京理科大学名誉教授の硤合憲三(そあい・けんそう)先生のノーベル化学賞(有機化学)の受賞でしょう。
不斉増殖(硤合反応)の発見・研究に40年もかかって、今回のノーベル委員会が認めた。
受賞の際に「人生で最も刺激的な日」と率直な喜びを語っていた。
私はこの言葉に、これまでの40年間、人類の誰もが未だ未知の世界で解明されていないことへの研究に対し、挫折しそうな苦悩など様々な課題や研究の意味そのものの壁などをどの様にして乗り越えられたのかを知りたいと思っています。
過去にノーベル賞を授った人や、受賞から死亡などによって漏れることとなったと思われる「西澤潤一先生」(東北大学名誉教授・通信の開発で独創的な業績を挙げた。半導体関連の発明家)の言葉をお借りして、私なりに理解していることの考え方のひとつには、「独創性」が大切だとも言っています。
「答えは出なくても良いと思う。大切なことは考え続けることであり、その先にのみわかることへの思考を巡らせるということが大切である。他人の真似ではなく、自身自ら独創によってのみ物事を作り出すことへつながる。」と言っている。
今回の硤合憲三先生もその様な趣旨の話をされるのでしょう。40年の研究者の重みをお聞きしてみたい。
同時間のニュース番組で、ノーベル賞受賞の直後に日本の政治家 農林水産大臣の簗和生衆議院議員の国から配分される自治体への予算「カットした」と発言した問題で、撤回などが流れていた。
翌10月8日、ビール大手4社がカルテルを結び、不当な取引価格の合意がなされていたとして、公正取引委員会の強制捜査を受けていたとするニュース。
さらにビックリ!プルデンシャル生命の社員が顧客から不正な金銭搾取により被害額が52億円もあったとし、その背景には成果主義があったのかも知れないとするニュースがありました。
この様に高額で組織的な課題が浮き彫りになるも、10月9日現在、警察が未だ動いたとは報じられていない。
たかが30分位の時間帯から見えて来るニュースの中に「今」の日本の様々な動きが報道されていて、ノーベル賞受賞以外の「事柄の事件」や「政治家の曖昧なる答弁等」に聞き慣れている自分が居るという事実が怖いと思っている。
詩人 大岡信氏が言っている様に、物事や自然の世界は『長い時間の中で次第にエネルギーを貯め、それがやがて色づく季節を迎えることができるのです。』
ここに現代社会の人々の生き方への澪標のヒントがあるのかも知れません。
(参考資料:詩人 大岡信 朝日新聞(折々の歌)、NHK TVニュース、河北新報 他)
Ⅳ【 不動産取引の例外の対応 】
先月(9月24日)に福島県郡山市の土地売買があり、売主も買主も地元の方でした。郡山駅から徒歩で約7分という好立地の土地取引で、無事に終えることができました。
仙台市から郡山市まで高速道で片道約2時間(休憩時間約15分位含めて)かかりました。
売買契約まで物件調査(道路台帳、上下水道、排水、各種条例、土壌汚染調査等)に2日程かかりました。
基本的に、遠隔地の不動産取引には費用対効果や情報量の不足のリスクもありますので、地元の不動産業者さんに依頼していただいたケースが多いのですが、今回はこれまで多くの恩義がある方なので、それに報いなければならないと思い、対応致しました。
重要事項はオンライン(テレビ電話)で説明ですることもできましたので、時代の推移を実感しております。
時間が効率的・有効に活用することができて大変助かっております。
以上